志太泉の仕込水と瀬戸川 Home>志太泉の仕込水
 志太泉にとって最大の財産は、仕込水(しこみすい)です。蔵元は、米は完全ではないにせよ選ぶことが出来ます。例えば静岡県の蔵元でも兵庫県産の山田錦は買う事は出来ます。しかし、水を買う事は現実的には難しいです。
 志太泉初代望月久作が、この場所を蔵に選んだのは、素晴らしい水が湧く土地であったからです。蓮華寺で開催される手揉み茶保存会のお茶会では必ず志太泉の仕込水を使用します。静岡県名産のお茶をも引き立てる水であるからです。また様々な酒の会においても、和らぎ水(やわらぎみず)として非常に人気のある水であります。
 現在でも、瀬戸川の上流の山間地という事が幸いして、周囲の自然環境は保全されております。環境破壊の進む中、蔵元の中でも、かつては素晴らしい水質の蔵の井戸水が汚染されてしまったり、むしろ安全な水道水を使ったり、水に苦労する蔵が増えてきました。そんな中、志太泉は、恵まれた自然環境の中、おいしい井戸水が使える蔵です。仕込水には濾過の必要もありません。
瀬戸川のおだやかな風景。春には菜の花もきれいです。 
 毎年、6月には、鮎釣りが解禁となり、多くの釣り人が瀬戸川を訪れます。 平成17年には、鴨が住み着きました。おそらく合鴨農法の田圃より脱走してきたと思われます。その後いつのまにかどこかに行ってしまいました。   鴨

仕込水は、日本醸造協会や生活科学検査センターで検査されます。現在の仕込み水は全硬度3.4の典型的な軟水です。もろみ日数を十分にとり穏やかに発酵させる事により志太泉のやわらかな酒質のベースとなります。但し醗酵力はそれほど弱くありませんので醗酵助剤等で調整する必要もありません。2011年の福島原発の影響を考慮して検査もおこなっております。特に放射性物質は検出されておりません。