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歴史   現況   経営方針   アクセス   

 蔵元は、第二次世界大戦以前、灘や伏見に代表されるような大きな蔵元以外は、きわめてローカルなエリアで商いをし、仕込むお米も当たり前のように地元米でした。地産地消を目指すのではなく、地産地消しかなかったのです。現在は、蔵元のあり方も急速に変容しつつありますが、歴史をふまえながら、現在の志太泉酒造の概要を記します。

志太泉の歴史 

 志太泉は、明治15年初代「望月久作」が、創業しました。「望月家」は藤枝の地主であった「杉村家」の分家として、余剰米を有効に利用する役割を担っていたようです。酒の名前は地元の古くからの地名である「志太」にある「泉」のような酒という意味と「志」し 「太 」く 「泉」のように湧き立つ酒を造りたいという願いを込めて「志太泉」と命名したと伝えられています。

 戦前は清酒「志太泉」「三五の月」「ラヂオ正宗」「歓喜」を発売するとともに山梨県にワイナリーを所有し「ミクニワイン」という名で発売していました。しかし第2次世界大戦の戦局悪化に伴い、米不足のため酒造りは一時休業しました。
 戦後、昭和29年、酒造業を再開しました。はやくから吟醸造りに取り組み、昭和35年4月には、吟醸酒「白鷺」として発売を開始しました。昭和43年、当時日本酒の世界で最も権威のある「東京農業大学品評会」で金賞を受賞しました。昭和50年代より静岡県の吟醸造りの方法論を模索し、その隆盛とともに、「全国新酒鑑評会」で昭和59年より3回連続の金賞を受賞しました。平成21酒造年度より、能登杜氏「西原光志」もとで伝統的な酒造りを継承しつつ創意工夫を加えモダンな酒質を追求しています。「全国新酒鑑評会」においては平成28.29.30酒造年度にて3年連続金賞受賞し合計20回金賞受賞しています。

志太泉の現況 

 現在でも、志太泉は、地元である志太地区の蔵であること、静岡県の蔵であることに強いこだわりをもっています。令和2年は、コロナウイルスの影響が大きく、出荷量は約650石(1.8Lで65,000本)まで急減しております。静岡県内に約70%を出荷しています。酒質も静岡の風土と食に合うように設計しています。具体的には、爽やかな吟醸香と、飲みやすさに中に深い旨みやかすかな苦みや渋味が融合した酒質を志向し、余韻よりもキレを重視しています。

 酒造りにおいては、能登杜氏「西原光志」をはじめ、日本酒業界の中では比較的若いスタッフが酒造りに取り組んでいます。通年での酒造りではなく、寒造り(冬季での酒造り)にて仕込んでおります。 

志太泉の経営方針 

1. 杜氏の伝統技術の継承と新時代の酒造りの融合

 現杜氏は伝統的な能登杜氏の技術を受け継いでおります。長く蔵に在籍した歴代の南部杜氏手法、静岡吟醸としての基本、これを土台にして新しい志太泉の酒造りを一歩一歩模索していきます。

2. 生産量700石から800石での安定生産

 製造量は、多いから、あるいは少ないから良いと判断出来るものではありませんが、丁寧に手が全てに行く届くには、少ない数量の方が好ましいですが、経営的にも安定するには、いわゆるコロナ前の製造数量が必要だと考えております。

3. 価格以上に中身が充実した酒造り

 地酒蔵としては、価格以上の中身の充実は必要であると考えています。しかし、精米歩合と使用米のみスペック競争ではなく、どのような考えでどのような酒を造るのかが大切だと考えます。

4. 志太泉販売店とのより強いつながりを築く。

 蔵の規模や市場の環境から判断しても、いたずらに新規取扱店を増やすのは無理です。より、志太泉酒造を深く理解して頂く酒販店との関係が築く事が蔵の無形の財産です。従来の取引関係では、蔵から酒販店に一方通行に情報が流れている感じがありましたが、これからは、双方向性のある情報交換が必要であると感じています。 また各酒販店が志太泉の販売が円滑に行なえるよう、当然3の価格以上に中身が充実した酒造りは必須となります。そして志太泉酒造との取引により適正な利潤を確保していただくため利益率を設定しています。

5. 定番品の充実と個性的な高付加価値の酒の開発(不必要なアイテムは削減)
 最近の需要の多様化にあまりにも対応しすぎるとアイテムが多くなりすぎ蔵の各々の酒に対する努力が分散してしまいます。かといっても、旧来の酒のラインナップだけでは、市場の変化についていけない事も確かです。定番品を充実させつつ、アイテムのスクラップ&ビルドを行います。

6. さらなる安全性の追求(21世紀中クレーム0に)

 原料米、水質に対する原材料の検査から、醸造用副資材での牛由来物質の不使用、環境ホルモンの溶出しないホースへの取替え等出来る限り安全性を高める努力をしています。また、清潔な醸造環境を整え、異物混入等は、21世紀中クレーム0を目指しています。放射性物質、カルバミン産エチルに対する確認等もおこなっています。

7. 有機農産物に対する真摯な取り組み(売るための道具にしないこと)。

 地元では、篤農家のグループ、焼津酒米研究会と共に山田錦の栽培に関わっております。まだ、有機農産物認証は受けられませんが、減農薬や有機質肥料での土壌改良が認められ静岡県よりエコファーマーの認定を受けました。現状では、有機農産物は認証等にコストが掛かったり、むやみに販売手法として神格化することで割高な酒になりがちです。志太泉酒造ではむしろ普及価格帯の酒で当然にように減農薬米の使用していく事こそ必要だと考えています。

8. 酒の品質に影響のない工程の効率化。

 低コスト化 日本酒造りは、原料米を筆頭に大変お金が掛かります。しかしながら、良質米の確保や新規の蔵の設備投資には、お金を惜しむわけにもいきません。その分事務経費等は極限まで節減しています。

9. 空き瓶のより良いリサイクルシステムの構築

 地元においては、積極的に空瓶を回収しています。きれいに洗浄して再使用しています。

10. 静岡県地元1/3、静岡県地元以外1/3、県外売上1/3の売上構成

志太泉はあくまで、基本は静岡県中部の地方蔵であり、地元での酒の販売を基本としたいと考えています。

11. インターネット活用での低コストでの情報提供

 当社もサイトを開設していますが、その中で酒販店様や飲食店様を応援するような情報を積極的に掲載しています。すべて、自社で運営していますのでよけいな経費はかけていません。
<参考 蔵とサイトの関わりについて>

12. 安定的な経営財務内容を堅持とする

 1本の傑作もろみを醸す事は、どんな蔵にも出来る可能性はあります。しかし、一過的でないコンスタントな品質の酒造りを長年にわたり継続していくには、安定的な経営財務内容の裏づけが不可欠であると考えています。

13. 社員、経営者共に自分を律し、酒造りを通して社会に貢献する自覚を持つこと

 当社は酒造りという仕事が好きで、仕事を通して社会と関わって行く人間が集まる場です。志太泉を気持ち良く美味しく飲んでいただけるために仕事をする単純にそれだけの事です。

14. 消費者に愛される志太泉ブランドの確立

 消費者の方の酒の関わりは様々です。 志太泉ブランドの確立とは心のかたすみにでも志太泉がある人が少しでも増えるように努力してきます。

<参考 静岡ビジネスレポートNo1314 PDFfile> 平成27年5月20日の静岡ビジネスガイドのカンパニーファイルに志太泉酒造が紹介されました。平成27年の志太泉酒造の立ち位置がよく表れている思いまうので、静岡ビジネス社の許諾を受けて転載しております。

志太泉へのアクセス 

◎公共交通機関(東京より)
東京駅⇒(新幹線ひかり約60分 こだま約90分)⇒静岡駅
静岡駅⇒(JR東海道線下り約20分 平日昼間なら約10分間隔)⇒藤枝駅
藤枝駅⇒(タクシー約15分 約2000円)⇒志太泉
または藤枝駅⇒(バス19~24分 400円)⇒志太泉

※バスの詳細 藤枝市自主運行バス瀬戸ノ谷線瀬戸谷温泉ゆらく行き(所要時間19~24分)
藤枝駅北口バスのりば3番です。(東横インホテル前) 運賃 大人400円
平日の藤枝駅出発時間 7:00 7:26 8:31 10:05 13:05 14:08 14:42以下略
土日休日の藤枝駅出発時間 8:32 10:12 11:42 13:12 14:42以下略
宮原バス停下車⇒徒歩3分(酒瓶が積んでありますのですぐわかります。)

≪平成29年3月26日時点です。詳しくは藤枝市のバスのホームページでご確認ください≫

≪志太泉酒造の場所YAHOO地図よりこちら